Monkeyのダラダラ日記

ダラダラとやってみます

グラフにしてみた

2009-10-25 | NEWS

あおむしさんから
>ところで平方根のところがどうしても理解できません(><)
  ↑(><) は復活させといたぞw
との指摘がありましたので、世帯人員数別消費支出をグラフにしてみました。

緑の棒グラフが世帯人員数別の年間消費支出(所謂生活費)です。6人の部分は6人以上と読み替えてください(スンマセン)。青線は一人世帯を基準として単純に年間消費支出(一人世帯)×世帯人員数とした場合です。実際の消費支出とかけ離れていることがわかります。一方、赤線は年間消費支出(一人世帯)×√世帯人員数とした場合です。完全な一致は見ないものの、実消費とかなり近くなっていることがわかります。世帯人員数の平方根を乗算する方法は、簡易かつ有効な近似値と思えます。
したがって、前エントリーの
>平方根に根拠があるのか?
についてはかなり有効な近似値と置き換えねばなりません。

相対的貧困率算出の根拠となる等価可処分所得と言う数値は、支出部門の世帯数による差を所得部門において補正しているため実可処分所得とは異なるという事を理解しておく必要があります。   
実質の可処分所得に対して、複数世帯の方が一人当たりの可処分所得が多く見積もられているということです。

これは、本来(エントリーを書き始めた)の趣旨とは違ってますが、
>正しいことも間違っていることも
伝えなくてはいけませんよね ^^;)

前述のデータを単純計算の一人当たりに換算し、貧困ライン(114万円/人)を重ねてみたのが下のグラフ

114万円/人と言う数値は、少なくとも4人以上の世帯においては平均以上の生活が可能である。また、この調査での平均は2.54人/世帯で、消費支出:314万円/世帯・123.6万円/人であるので、平均よりやや下の生活が可能であり、貧困と言えるものかどうかと思う。

※単身世帯については別の考察が必要かもしれない

尚、この消費支出額には平均/年間・世帯当たり、外食費17万円・パック旅行費5万円・教育以外の月謝(語学とか)3万円・入場観覧料3万円なども含まれており、最低限ではなく、一般的な消費支出である。

資料:家計調査年報平成19年より

貧困率が最悪だと?!

2009-10-22 | NEWS
首相が県内で演説、情報公開重視の方針示す/神奈川

 鳩山由紀夫首相は20日、横浜駅西口で演説し、初めて日本の「相対的貧困率」を政府として発表したことに触れ、「鳩山政権は正しいことも、間違っていることも、全部、国民にお知らせする政府をつくりたい」と情報公開を重視する方針を示した。
中略
 鳩山首相は相対的貧困率(15・7%)を取り上げ、「この恥ずかしい数字をいままで政府は公表しなかった。隠していたら何も改善しない」と述べ、自公政権との違いを強調。その上で、「(悪いことも)あえて公表して、皆さんと一緒に悩みながら解決していきたい」と訴えた。
後略
この人、この数字の意味をちゃんと理解しているのかな?と不安になる。”意図的”なのか”お馬鹿”なのかよくわからないが、大きく勘違いした新聞記事もある。
日本の貧困率15.7% 07年 98年以降で最悪

 厚生労働省は二十日、全国民の中で生活に苦しむ人の割合を示す「相対的貧困率」を初めて発表した。二〇〇七年は15・7%で、七人に一人以上が貧困状態ということになる。十八歳未満の子どもの貧困率は14・2%だった。
 厚労省は国民生活基礎調査の既存データを使い、一九九八、〇一、〇四、〇七の各年にさかのぼり、経済協力開発機構(OECD)が採用している計算方式で算出。〇七年の全体の貧困率は九八年以降で最悪、子どもは〇一年に次ぐ水準だった。
 長妻昭厚労相は同日の会見で「子ども手当などの政策を実行し、数値を改善していきたい」と述べ、同手当を導入した場合に貧困率がどう変化するかの試算も今後公表することを明らかにした。
 政府は六〇年代前半まで、消費水準が生活保護世帯の平均額を下回る層を「低消費水準世帯」と位置付け増減などを調べていたが、その後は貧困に関する調査はしていなかった。相対的貧困率は、全人口の可処分所得の中央値(〇七年は一人当たり年間二百二十八万円)の半分未満しか所得がない人の割合。 全体の貧困率は九八年が14・6%、〇一年が15・3%、〇四年が14・9%。〇七年は15・7%と急上昇しており、非正規労働の広がりなどが背景にあるとみられる。
「貧困率」というネーミングがそもそも気に入らないが、わざわざの造語ではなく従来から使われてきた言葉なのでそこは放置。東京新聞も自ら解説しているように相対的貧困率は、「全人口の可処分所得の中央値(〇七年は一人当たり年間二百二十八万円)の半分未満しか所得がない人の割合」であって「全国民の中で生活に苦しむ人の割合を示す」では無い。 読売新聞から引用すると、
◆相対的貧困率◆ 国民一人ひとりの所得を順番に並べて、ちょうど中間の額の人を定め、更にその額の半分に満たない人が、全体でどれくらいいるかを示したもの。この際に用いられる「所得」は、等価可処分所得といい、所得から税金などを差し引いた世帯の可処分所得を、世帯の人数の平方根で割った数値となっている。貧困の水準を示す絶対的貧困率と異なり、国内の低所得者の割合を示す指標になっている。
ということで、「所得格差の指標」の一つでしかない。ちょっと解説を入れるとすれば、「世帯の人数の平方根で割った数値」について。
可処分所得200万円の男女がそれぞれ独身単独世帯の場合は、当然のことながら可処分所得は其々200万円。だけどこの二人が結婚した場合には、世帯での可処分所得は400万円で、一人当たりの可処分所得は400万円/(2^0.5)となり283万円。二人に子ども(一人)ができた場合には、400万円/(3^0.5)で231万円となり、子どもの可処分所得も231万円。
理由は、家賃や水道光熱費など一人当たりの負担が軽くなるからということ。当然、食費だって一人分を作るよりは三人分作った方が安上がり。納得はできるんだけど、平方根に根拠があるのか?となると疑問もあるし、50%(半分未満)についてもどの程度の根拠があるかはよく分からない(自分が不勉強なだけかもしれないが)。まぁ、その程度の指標数値ではあるのだけれども、巻尺の手元を固定しなければ長さを図ることはできないので、国際比較をする上では必要なのだろう。「絶対貧困率」の場合には物価指数が勘案されていないなどの問題もあるし…。

そう言う曖昧な数値の結果だけを見て、「大変ひどい数字だ」とか、「こうした数字は今まで公表しなかったが、正しいことも間違っていることも国民に知らせる新しい制度をつくりたい」と言うのは過剰反応じゃないか?と思う。
そもそも、この調査を開始する前から大体の数値は把握してたでしょうに。OECDの発表はなされているわけだし。しかし、なんでジニ係数についても纏めなかったのだろう?日本のワースト順位が低くなってしまうからなのか?と疑いたくなる。

>長妻昭厚労相は同日の会見で「子ども手当などの政策を実行し、数値を改善していきたい」
少なくとも、
平成21年度 年次経済財政報告(経済財政政策担当大臣報告)
― 危機の克服と持続的回復への展望― 平成21年7月

以上の分析・政策が発表されることを期待してます。

つか、「賃金・所得格差と再分配効果」について、賃金格差・家計の所得格差・所得再分配の効果・税と社会保障などの問題点はすでに纏まってんじゃねぇかよ。
問題は、解決するための政策。
>この恥ずかしい数字をいままで政府は公表しなかった
>厚生労働省は、「相対的貧困率」を初めて発表した。
って客観的事実なの?たしかに計算方法は50→40%などOECDとは微妙に違うけど。

因みに、日本の場合は年齢による収入格差(終身雇用と年功による)は大きい(大きかった?)わけで、生涯所得が同じでも格差が生じてしまう事は考慮されていなかったりする。 -参考- 相対的貧困率の国際比較

※このエントリーは書きかけ項目です、今後、加筆修正は予告なく行います。