Monkeyのダラダラ日記

ダラダラとやってみます

血液サラサラ

2007-06-13 | NEWS
「ドロドロ血」商法で数十億円集金 医療会社を強制捜査 警視庁 2007/06/12

このニュースを見て久々に「血液ドロドロ」を検索してみた。ということで、「血液ドロドロ商法」関連ニュースとブログなどをいくつか読んでみた。違和感がある。「血液ドロドロ」そのものが医学的根拠を伴わない疑似科学的なものなのだが、その部分がサラサラと書かれている点だ。この「血液ドロドロ詐欺」については、今更…という感じなんだが敢えて書いてみる。

アクセサリーなどを身に付ける事で「血液がサラサラになる」といわれて商品を購入する人も購入する人だと感じるわけだが、健康情報番組などで「インチキ情報」を垂れ流したマスコミの責任であるともいえる。何しろ定義がはっきりしていないのが厄介だ。サラサラというキャッチフレーズだけが一人歩きをし、ドロドロを解消する体に良いものも複数出現してくる。サラサラ=良、ドロドロ=悪と単純に二元論化する。テレビ番組でのいつものパターンだ。

活性酸素を万病の元と決め付け「活性酸素を消去する○○」という商品が出回ったりするのと同じようなものだろう。尤もそんなものは存在しないだろうし、感染症の原因である菌を体内で殺せなくなるような恐ろしい商品には間違っても手は出さないが。本当に効果があるとすれば、死なないまでも副作用はあるだろう。EM菌と同じように都合の良い量だけの活性酸素を消去するのだろうか。

記憶をたどり放送内容(複数)を書いてみる。

「血液サラサラ」という題材はテレビ向きだった。題材と言うよりはMC-FANという計測機器といったほうが正しいかもしれない。櫛状に並んだ細長い六角形のブロックのスリットを血液が流れる映像のあれだ。多くの人は目に見えないリスクに対して不安感を抱いているだろう。そしてこの機器は自分では実感できない不安を映像として映し出す。「このままの生活では血液がドロドロになる」と不安感を煽り、次いで「すばらしい食材・食生活」が紹介される。しかし、MC-FANが何を計測するための機器であるのか。そして、検査環境と体内の環境とは違うと言うことも紹介されないし、計測の結果がどの程度ならば疾病リスクがあるのか?などの説明も一切ない。ただひたすら「血液ドロドロ」は良くないというイメージを視覚的にセンセーショナルに訴えかけているだけだ。

まぁ、この程度ならば問題ないといえば問題ないかもしれない。
このような放送内容を見た結果として食生活を改善した人もいたであろう。
しかし、疑似科学の王様「マイナスイオン」と「血液ドロドロ」とは不幸にも結び付けられてしまった。

あるある大辞典 「静電気」 2000/12/03 放送
静電気により体のペーハーの状態が崩れ酸性化する。体内のマイナスイオン減少が原因。血液の粘度が増したりする。

あるある大辞典 「マイナスイオン」 2002/01/27放送
プラスイオンがドロドロ血の原因となる。赤血球などはマイナスイオンを帯びているから、プラスイオンが入ってくると、血球が引っ付いてしまう。
記憶は定かではないのだが、この回の放送で「トルマリンはエネルギーを与えるとマイナスイオンを出す」との説明があったように思う。

どうだろう?「血液ドロドロ商法」のセールストークそのものではないか。
いくら「あるある」がオチャラケ番組であったとしてもこれは酷い。

ためしてガッテン 「徹底検証・血液サラサラの真実」 2006/08/30放送
9年前、ガッテンが火付け役となって以来ブームとなった「血液サラサラ」。しかし今やその言葉が一人歩きしています。血液サラサラ検査を利用して高額の品物を売りつける商法まで現れているのです。番組では、その気になればサラサラ検査の結果を操作できること、さらに、気になる食べ物の効果や、最新研究で分かったサラサラ特効薬の入手法などについても徹底特集します。
結局のところは「血液サラサラ」の定義がはっきりしないままで、中途半端な感じは否めないが放送しないよりは良い。いや、「血液サラサラ」と言う言葉の市民権を剥奪しなかったことは罪かもしれないとも思う。「血液ドロドロ」と「マイナスイオン」とを関連付けて放送した放送局については、ゴールデン枠で特集を行ってもらいたいと思う。が、やらないだろうなぁ。